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2025/05/04 20:02


日本には、長い歴史の中で生まれ育まれた多くの伝統工芸品があります。

しかし、時代の変化やライフスタイルの多様化に伴い、残念ながら姿を消してしまった工芸品も少なくありません。

その背景には、後継者不足や需要の低下、安価な大量生産品の台頭があります。

本日は、そんな時代の変化に伴って衰退の進んでしまった伝統工芸品をいくつかご紹介いたします。



目次

1 仙台平(せんだいひら)

2 讃岐石灯籠(さぬきいしどうろう)

3 出石焼(いずしやき)

4 まとめ



1 仙台平(せんだいひら)


かつて東北地方で盛んだった「仙台平」という絹織物があります。

江戸時代から続くこの織物は、武士の礼装用の袴(はかま)に使われ、細かく丁寧に織り上げられたその光沢は一級品とされていました。

しかし、明治以降、生活様式が大きく変わり、袴を日常的に着用する文化が衰退したことで需要が激減。

さらに、織り手の高齢化と後継者不足が重なり、やがてその技術は途絶えていきました。現在製造を続けているのは合資会社仙台平のみとなっています。



2 讃岐石灯籠(さぬきいしどうろう)

香川県で生産されていた「讃岐石灯籠」も同様です。

讃岐の石材を使って手作業で彫られる石灯籠は、寺院や庭園に欠かせないものでした。

しかし、現代の住宅事情では和風庭園の需要が減り、さらにコンクリート製品が普及したことで、讃岐石灯籠の制作は次第に衰退し、今では職人の技術を受け継ぐ人もほとんどいなくなっています。



3 出石焼(いずしやき)

兵庫県出石町で作られていた陶磁器「出石焼」は、江戸時代後期に始まりました。

真っ白な磁肌と繊細な造形美が特徴で、茶器や酒器として愛用されていました。

しかし、明治時代以降、需要が減少し、大正時代には製造を続ける窯元もわずかになりました。

時代の変化や安価な量産品の台頭により、出石焼を作る職人は減少し、今では幻の焼き物となっています。



4 まとめ


伝統工芸品は、単なる物質ではなく、地域の文化や歴史を映し出す貴重な遺産です。

一度途絶えた技術を復活させることは非常に困難ですが、現代の生活の中に取り入れる形で再評価されることが、消滅の危機に瀕している他の伝統工芸品を守る一つの手段かもしれません。



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著作:e-mo 運営チーム 

伝統工芸を「エモいインテリア」として発信する新ブランド 《e-mo》。

30人以上の伝統工芸職人と対話し、5年間にわたり伝統工芸の魅力を広める活動を展開。

大学生とOBOGによる組織運営のもと、時代に合った新しい形で伝統工芸を発信している。


エモくて、こだわりのあるインテリアを提案し、一つひとつの手作り製品に込められたストーリーを届けます。


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