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2023/12/30 00:20



皆さんこんばんは!
共生プロジェクトの戸恒です。

年末も近くなり、冬も本番に近づきつつありますね。そんな冬といえば、やっぱり「雪」をイメージされる方は多いのではないでしょうか。自分は東京育ちだったので、子どもの頃は雪の天気予報が出るだけで気分が高揚していたのを覚えています。
日本では北海道、東北、北陸地方などで冬に多く雪が降ります。冬にはたくさんの雪が降り、簡単には行動できなくなってしまうほどといいますが、その雪を活用した伝統工芸品を作っている地域もあります。そこで、今回は毎年多くの雪が降る新潟県で作られている伝統工芸品を2つ紹介します。

1、小千谷縮、越後上布

小千谷縮(おぢやちぢみ)は、新潟県小千谷市で生産される伝統的な織物です。小千谷市は、新潟県中越地方に位置する市で、美しい自然環境と歴史的な観光地があります。市内には温泉地や伝統的な日本の風景が広がっています。
小千谷縮は江戸時代には当時の人気着物として重宝されていたとも言われており、現代でも2009年にユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、その価値は国内だけでなく世界的にも認められていると言えます。
小千谷縮は、糸を縮めて凹凸感を出す特殊な織り方で知られています。主に麻の素材が用いられ、独特の風合いや柔らかさが特徴です。なんといっても小千谷縮の特徴といえば、「雪さらし」。雪上にさらすことで麻生地が漂白される効果があり、小千谷縮を作るために必要な工程です。
雪さらしは、冬から春に移り変わる時期のよく晴れた日に、雪の表面が平らな場所に布地を1週間ほど置いていきます。雪さらしを行うことで、布地の天然の白さを引き出し、化学系の漂白剤を使った白さとは違う白さが引き出されます。

伝統的な小千谷縮の柄は、植物や動物をモチーフにしたり、四季折々の風景を表現したりすることが一般的です。また、日本全国で愛される「小紋」や「紬」といった着物の生地としても使用されています。

小千谷縮は、気候を活用した地域性、独自性と高い品質から、伝統的な工芸品として国内外で評価されています。

また、小千谷縮と同列に扱われる極上の麻織物、越後上布(えちごじょうふ)も小千谷縮と同様、新潟県を代表する伝統的な平織の麻織物です。主に小千谷市に近い南魚沼市を中心に作られており、一部小千谷市でも作られています。
越後上布も小千谷縮同様、麻を使用しています。麻の繊維を活かした風合いが特徴的で、通気性がありながらも丈夫です。越後上布もユネスコ無形文化遺産に登録されており、現在でも価値の高い麻織物として有名です。   

2、小国和紙
小国和紙は、新潟県長岡市小国町で作られている伝統工芸品です。
コウゾを主な原料としていますが、国産のコウゾは減少しているため小国町ではコウゾの栽培から行っています。
小国和紙は紙漉きの伝統的な製法が用いられます。紙漉きは、漉き台と呼ばれる専用の水が張られた台の上で行われます。
抽出した植物繊維を適切な割合で混合し、水に溶かしてペースト状にします。このペーストを漉き台に薄く広げ、繊維を均等に分散させます。これが和紙のベースとなります。
和紙が形成されたら、余分な水分を切り、乾燥させます。これにより、和紙が完成します。

この手法は、手仕事による伝統的な製紙技術であり、和紙職人の熟練した技術が求められます。漉かれる紙の質感や均一性、風合いは、職人の手によって左右されます。職人による違いも伝統工芸品として味があります。

紙漉きの工程を経て、和紙が形成されたら、余分な水分を切って均一に整えられます。この状態で漉かれた和紙は湿っています。
湿った和紙は、特別な台や枠などにのせられ、干し台に移動します。この際、和紙が傷つかないように慎重に扱われます。
干し台に乗せられた和紙は、自然光や風にさらされ、天日干しの工程が始まります。
天日干しは、紙が太陽の光や風にさらされ、自然の力を利用して水分を蒸発させるプロセスです。
また、天日干しは雪がまだ残る春先に行います。雪によって紫外線がより多く当たるような工夫がされています。天日干しによって和紙の繊維が適切に定着し、紙がしっかりとした強度を持つようになります。
和紙が十分に乾燥したら、製品化のための加工工程が進められていきます。これにより、書画用の和紙や様々な和紙製品ができていきます。

このように、新潟県では雪を利用した伝統工芸品が多く作られています。雪さらしも、雪を活かした天日干しも、四季のある日本だからこそできる工程だと思います。大人になったからは厄介にも思えていた雪が伝統工芸品に大きなプラスの影響を与えているのは意外ですね。四季が伝統工芸品にこんなにも影響していることを知ってもらえたら嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!