2022/11/08 23:53

こんばんは。共生プロジェクトの吉崎です。
今日2022年11月8日はビーバームーンの日でしたね。
満月がすっぽりと地球の影に隠れる「皆既月食」と月が惑星の前を通る「惑星食」(今回は天王星食)が同時に起こる非常に貴重な日。
以前、同じ現象が起こったのは、442年前。そして次回は332年後です。
こんな超レアな日に、Blogの番が回ってきたということで、月について調べてみました。
「月」と言えば、「花鳥風月」や「雪月花」という言葉があるように、日本の伝統美を表す一つ。
日本では古来から「月」は美しいものの象徴とされたきた...と思っていませんか?
実は平安時代の末期まで、潮の満ち欠けや生物の生死にも関係してくる月には、不吉なものというイメージがもたれていたのだそう。
実際に、竹取物語には『月の顔を見るは、忌むこと』という記述があり、この時代の和歌には月に対する良くないイメージを詠ったものが多くあります。
とりわけ、今日起こった「月食」は嫌われたよう。
人々は「月食」を「何か良からぬことが起こる兆し」だと考え、端から少しずつおかしていくという意味の「蝕(むしば)む」という漢字を用いて「月蝕」と表記していたようです。
このことから言えるのは、古来の日本人は自然を愛でていると同時に、その自然を恐れていたという側面も持っていたということ。
人間の手ではどうしようもない畏れの対象であるからこそ、敬い、自分たちは生かされているという感覚があったのではないでしょうか。
私たちがお世話になっている職人さんたちも口を揃えて「自然の中で生かされている」といったことを口にされます。
『植物を採るのではなく、わたしたちが使わせてもらっている。』
『自然の循環に逆らわぬよう、土に還るものを。』
古くから自然を愛すると共に、畏れ敬い生きてきた日本人のDNAが、伝統工芸品にも宿っているのです。